デザイナーズマンションとは
「デザイナーズマンション」と聞くと、どんなすごいデザイナーが設計したんだ!と思いがちですが、実は明確な定義はないのです。もともとは広告会社がつくった名称だと聞いたことがあります。なんとなく、こだわった意匠やかっこいい外観であれば、「デザイナーズマンション」になる感じです。多くのディベロッパーが、費用対効果を考えて、画一的なマンションを多くつくってきた歴史があるので、そんな中、少し尖ったデザインだと目立つわけです。画一的なものから「個性的、多様化」の時代に突入して現代、特に、人と違ったところに住みたい、かっこいい暮らしがしたい、そう考える若年層に人気です。コンクリート打ちっぱなしのものが多いですね。
ちなみに、ウィキペリアにはこう書かれています。「デザイナーズマンションとは建築家のコンセプトが前面に表れた集合住宅のことである」。これも曖昧な表現ですね。なぜなら、「建築家」の明確な定義もないからです。設計士であれば、ちゃんとした国家資格があり、「1級建築士」「2級建築士」と語るには、試験に合格し、登録する必要があります。でも「建築家」にはそういった条件はないのです。かの有名な安藤忠雄氏も設計士の資格を持っていないとか・・・。はじめてそのことを知ったときは、随分おどろいたものです。
デザイナーズマンションのデメリットも知りましょう
デザイナーズマンションは、バブル景気前後に人気が出て、今もなお、その人気は顕在です。しかし、注意しなくてはいけない点もあります。デザインを重視しているかわりに、使い勝手が悪かったり、暮らしに不便を感じたりすることも多々あるのです。
たとえば、壁がなく、天井も吹抜けで広々した開放的な空間。そんな空間でのんびりできるなんてステキ!と思いますが、空調管理が大変です。エアコンが効きにくいのです。夏は暑いし、冬は寒い。こういうタイプの間取りは、全面ガラス貼りにしているケースが多いので、なおさらです。冬は結露の問題もあります。
たとえば、部屋中大理石貼りの床面。芸能人が住みそうな空間になります。人を招くのも楽しみになるはずです。しかし、実際住むとなるとまた話は違ってきます。冬は寒いです。床にモノを落とすと壊れます。大理石が割れることもあるので、メンテナンスもしなくてはいけません。もちろん対処法もあります。床暖房をいれたり、適度にカーペットを敷いたり・・・。
他にもいろいろありますが、デザイナーズマンションを検討している方は、そういった注意点をきちんとおさえてからにしないと、住んでから後悔することになるので要注意です。
インテリアコーディネートも大事
見た目がかっこいいマンションだからといっても、室内のコーディネートは個人でしなくてはいけません。せっかくデザイナーズマンションに住んでいるのに、インテリアコーディネートがイマイチだと、とても残念なことになってしまいます。好きなものを手当たり次第集めても、まとまりのない空間になります。特別な勉強をしたこともなく、プロでもないし・・・、そういう方でもちょっとしたポイントをおさえれば、素敵な空間になります。
よい「デザイナーズマンション」の見極め方
でも、そんな問題点があると分かっていてもやはり「住むならデザイナーズマンションがいい!」と言う人は多いです。個人的にデザイナーズマンションの魅力を上げると、「年月が経っても美しい」こと。もっと言えば、年月が経つ程にその魅力が増すと思っています。ふつうのマンションは年月が経つとそれなりに古くなります。そして安っぽい団地みたいに見えてきます。でもデザイナーズマンションは、なんというか古くでも輝きを増していくのです。ただ、すべてのデザイナーズマンションに当てはまる訳ではありません。
「流行に惑わされていないコンセプトを持ったマンション」。
それが、よいデザイナーズマンションの条件だと思っています。街を歩いて年月を経たマンションを実際にみてみるとよく分かります。
デザイナーズマンション事例
ナチュラルな装いの5階建て。体温を感じさせる淡いアースカラーの外観は、陽光に優しく応えるように柔和な表情をたたえています。自然の安らぎをデザインした外観で特に目をひくのは、ダイナミックなまでに大きくとったガラス張りの傾斜天井や壁面。
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